翌日、天くんは悲しそうに笑って私と義昭の隣に座る。今日で私と義昭が江戸時代にいるのは最終だ。

義昭と離れることに悲しく思う自分がいる。何でだろ…?

義昭も珍しく悲しそうにしている。私は「義昭…?」と声をかけた。

すると、義昭の表情は徐々に崩れていき、最終的に義昭は声を押し殺して泣いていた。私はそれに驚きながら、良く泣き崩れる友達を助けるようにぎゅっと抱き寄せた。

「お前、何を…!」

義昭は私から離れようとする。しかし、私はそのまま抱きしめた。義昭の体温が心地よい。

「…ねぇ、義昭?泣きたい時はね、思い切り泣いて良いの。人前で泣きたくなかったら、私たちは消える。だから、堪える必要は無いんだよ?」

その言葉で義昭は泣き崩れた。義昭や天くんが泣いている理由は分からないが義昭は変わったように思う。

私に少しだけ感情を見せてくれるようになったし、口は悪いけど実は優しい子だって知った。

私は天くんも一緒に抱き締めて微笑んだ。