思えば、最初から、彼女とは反対だった。



明るくて、癒し系で、可愛くて、彼女がいるだけで周りが明るくなる。




それに対して俺は、性格が曲がってて、独占欲ばっかりが強い、どうしようもないやつ。




…それでも、隣にいたいと思った。





可愛くて、かわいくて、大切で、守りたい、と思える子。






きっと彼女には、一生叶わない。













「蓮君、蓮君!大丈夫〜?どっか飛んでるよ?」



はっ、と現実に引き戻されると、そこにはドアップの雪。



…あぁ、もう、可愛い…



このまま抱きしめて、ずっと腕の中に閉じ込めて置けたらいいのに、なんて。



「あ、蓮君あのね、明日の、話なんだけど!」



「うん?」



「私、行きたい場所があります!!」


キラキラと目を輝かせて報告する雪はほんとに可愛くて、見ているだけで、幸せだと思える。


そんなにニコニコしてるのは、俺と一緒にいて楽しいから?なんて自惚れてみる。



…そうだったら、嬉しい。


「どこ行きたいの?」


「えーとね!隣町のショッピングモール!」


「ショッピングモール?いいけど。なんで?」


「実はね!!明日、ショッピングモールに⚪⚪君が!来るの!サイン貰えるって〜!!」


⚪⚪っていうのは、雪が好きな俳優だ。


すごくイケメンで、演技もうまいらしい。