「ほ、本田くん!お、おはようっ!」
「おっ、おぉ。おはよう…」

「あ、次の授業いこっ!」
全然進展ないっ!
こうなったら無理にでも好きにさせてやるっ!
「ね、ねえっ…。家くる?」
「はっ?!家?!まあ…いいけど」
そうして本田くんは家に来た。
「あれ?親は?働いてんの?それとも一人暮らし?」
「実は、親いないんだ。とにかく上がって」
不思議そうな顔をして本田くんは上がって来た。
「いい家だな」
「ホント?嬉しい」
「お前に言ってない」
もう…。
あんたって鈍感?とツッコミそうになる。
「親いない気持ち、俺も分かる」
「な、なんで?」
「俺も親いないから」
えっ…
「本田…くん?」
泣きそうな本田くんを見て心配になる。 
「父は赤ちゃんの時、警察に捕まるほど悪い人だった。そして母親に幼稚園の頃、嫌われたんだ。
あんたなんて人間の価値なんてないっていって俺を見捨てた」
本田くんの親がいないのはそういう理由だったんだ。
しかもこういう性格なのも、親に見捨てられたから、親の性格に似たから…?
「私、本田くんの心を傷つけたくない。そばにいたい。だから……友達になって下さい」
「……いいの?」
「いいよ」
私は少しずつ本田くんに近づきたいと思った。