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やっと今日も学校が終わった。

夏休みまであと一週間、普通はあっという間だと思うかもしれないけど、私にとっては恐ろしく長い。

一日でも、一秒でも早く帰りたい。

学校にいる間の私は、ずっとそんなことばかり考えている。


階段の踊り場を通り過ぎるとき、強い日差しが耳の後ろを刺してきた。

振り向くと、大きな窓の向こうにあったのは梅雨の明けた青空。


(ビルとか遮るもの、なんもない…。)