「何か用?」
「今週の土曜日、空いてる?」
「つまり、俺の事誘ってるって事でいいんだな?」
「ふざけないでよ!」
洸太と話しても、いつも話になんない。
って、そんな場合じゃない!
アタシは4人で遊ぼうと言いに来たんだ!
「で、土曜日?」
「菜々と健永くんと遊びに行くけど、洸太もどう?」
そう言うと、
「とりあえず、こっち来いよ」
腕を強引に引かれ、気付けば洸太の腕の中に納まっていた。
「こ、洸太!?」
いつの間にかアタシの頭の下には洸太の腕が。
「2人がいい」
ずるいよね…
洸太の行動がいちいち変えるから分かんないよ。
腕の中から逃げようとすると、もう片方の腕がアタシの身体を抱きしめる。
「ちょっと離してよ」
「やだね」
洸太、本当に変。
洸太と密着している為、香水の匂いを強く感じる。
「香水、移っちゃうから、離してってば」
「いいじゃん」
「意味わからんし!」
「土曜日、行ってもいいけど」
洸太はニヤリと微笑んでいた。
「アタシは帰るから、土曜日来てよね!」
無理矢理でも洸太の腕の中から逃げた。
直後、まだ洸太の腕の中に居たかったと思ったのは秘密。