ケータイ小説 野いちご

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闇に溺れて、秘密のキスを。

和彫り




「どういうことかちゃんと説明なさい」


朝の教室は静かで落ち着いていて、少し騒がしい程度が普通なのだけれど、今日は違った。

周りからの視線が痛い。


それもそのはず、私と神田くんが言葉を交わしながら一緒に教室に入ってきたからだろう。


けれど質問攻めされることはなく、代わりに一年からの仲である桃井 沙月(ももい さつき)ちゃんにある意味迫られていた。


「あ、えっと…」

みんな、沙月ちゃんと私の会話に耳を傾けているのか、途端に静かになる。


気まずくて逃げ出したい気持ちはあるけれど、まずは沙月ちゃんの誤解を解くのが先手だ。

わかっているのに、言葉がうまく出てこない。


「どうして今日、神田くんと一緒に学校来てたの!?
もしかして未央にもついに恋の季節が…!」

沙月ちゃんの目がキラキラと輝いているように見えるのは気のせいだろうか。


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