「おはよう、颯」

「おはよう、ひかり」

付き合い始めて三ヶ月。

颯が部活がないときは毎日一緒に登下校するようになっていた。

「今日は帰り結構遅くまで部活あるから一緒に帰れない、ごめんな」

「ううん、いいよ。葉月と帰るから。でもいつも遅いのに、それよりも遅くまで?大変だね」

「ああ、3年が引退したからな。俺達2年が仕切らないといけないからさー」

「そっか、運動部って本当大変そう」

「大変だけど、自分の体力とか技術が上がっていくの楽しいんだよ」

「そうなの?私ずっと帰宅部だからわかんないや」

こんな風に、毎日颯と他愛もないお喋りをする。

すごく楽しい毎日。

だけど、私はどこか物足りなさを感じていた。

そのことを昼休みに葉月に相談すると、

「やっぱりあれだよ、進展だよ進展」

「進展?」

「二人、手繋いだりデートしたりするだけで他はあんまり進展してないじゃん!」