最低最悪の気分でも朝はやってくる。私はどうやら健康優良児らしく、気分がめちゃくちゃに沈んでいても朝は起きられるし、ごはんは美味しい。そう、今朝も母が用意してくれたフレンチトーストが美味しい。もらいものの高級はちみつと母特製のイチゴジャムがついている。大変だ、とんでもなく美味しい。マグカップたっぷりのカフェオレと一緒に、いくらでも食べられる。

お腹いっぱいになると、嫌でも仕事にいくために仕度を始めなければならない。メイクをして、髪にヘアアイロンをあて、通勤服を着て……。はあ、仕事に行きたくない。
この憂鬱な気分はここ一週間ほど続いている。

原因は婚約者だ。あの超絶大馬鹿野郎の豪のせいだ。
あいつと言い合いになって以来、毎日の仕事がやりづらくてしょうがない。バディを組んでいる以上話さないわけにもいかないし、最低限のコミュニケーションで調査を進めている。わからないところは先輩たちに聞き、なるべく豪を頼らず仕事しているけれど、豪はそれも面白くない様子で、最近はこっちを見もしない。

は~ら~た~つ~!!!

今日も私は沈みきった心地で出勤だ。早くこの業務を終えたい。いや、業務が終わっても結局私と豪は将来的に結婚するのだ。地獄は続く。