『私は、両親を失った』

帰る家も、待ってくれる人も、もういない。

『おかえり』の声や『ただいま』の言葉も、もう言えない。

もう…、あの温かい家には帰れないのだと…。

雨に打たれながら、トボトボ歩いてる中、一つの傘が差し出

された。

そこには、幼馴染のあいつが立っていた。

私がどんなに辛くても、君はいつだって真っ先に駆けつけて

くれる。

『大丈夫だよ。』って…。

その一言だけで、私の世界を変えてしまう君が私はどうしよ

うもないくらい……。

好きだった。