いつの間にか眠っていた私は寒さで震えて目を覚ました。
 季節は初夏に移ろいでいたが、急に冷え込んだようだ。

 季節外れの寒さになりますって天気予報で言っていたのを思い出す。

 トイレに行こうと、もそもそと起き出すとドアが開かないことに、ギクリとした。
 まさか……そんなこと………。

 力を込めて押してみてもビクともしない。

「高宮課長?高宮課長!」

 声をかけてみても応答はない。

 どうしちゃったんだろう。
 私が籠城したから嫌がらせ?
 ううん。嫌がらせならまだしも。

 私は嫌な予感がして、プライベートの方の携帯で高宮俊哉を選択した。

 すぐ近くで鳴る携帯の着信音に振動音。

 時間は午前4時だ。
 布団に入っていた私でさえ寒くて目が覚めたのに………。