それから一週間程経った、ある日の朝。


「……ん」


なんだか暖かい何かに包まれていて、頭に心地よい重みを感じた。


それに引かれるようにして、ゆっくりと目を開ける。


「美羽、もう起きたの?おはよう」
「……宏?」



ぼーっとする頭の中で、宏に抱きしめられていることにだんだんと気づく。


また今日も、宏が私のベッドの中にいた。
ここ一週間、宏は私より早く起きて部屋までやって来ていた。


その時はすでに制服に着替えていて、準備もバッチリの状態。


さらにはこうやって必ず抱きしめられているのもお決まりで。



「俺だよ。まだ寝ていていいのに」
「宏、いつも早いよ。眠たくないの?」


今までは寝坊だらけだったから、特にしんどいはずなのに。