「美羽、帰ろう」


放課後。
宏がいつものように私の席にやってきて、帰ろうと言ってくるのがお決まり。


だけど今日はいつも以上に視線を感じた。


学校に来て宏と話したのは今が最初だったから気づかなかったけど、多くの人たちが朝の噂話を耳にして私たちのことを気にしていたのだ。


「う、うん、帰ろう!」


昼休み、教室に戻った後は特に三人に宏とのことを深く聞かれなかったけど、逆に青谷くんとどんな話をしたのかって興味本位で聞かれた。


そのため、なんとか乗り切ることができて放課後がやって来たのだ。


宏の言葉に頷き、返事しながら立ち上がる私。



いつものように並んで靴箱へ向かうのだけど、周りからの視線がすごくて居心地が悪い。