こんなに一日の終わりを待って。一秒でも速く週末になるのを願ったことはないと思う。
 急く気持ちをなだめながら自分の部屋の掃除や洗濯、分担してる家事を済ませて午後には家を出た。

 津田さんは結局、何も教えてくれないけど。帰ってくるのが分かったから、今までみたいに勝手に亮ちゃんの部屋に出入りするのも気が引ける。とにかく行くだけ行ってみよう。・・・そんな思いだった。

 今日いるのかも分からない。電車の中でもバスに揺られる間も、自分に言い聞かせて何度も深呼吸。もし本当に逢えたら『おかえりなさい』を言って、それから・・・・・・。





 
 オートロックのエントランスを抜けてエレベーターに乗り、11階で降りる。きゅっとする心臓。緊張してカードキーを持つ手がちょっと震えた。かざしてロックを解除し、玄関ドアのハンドルに手を伸ばす。開いて、わたしの目に映ったものは。