私と西田先輩の出会いは始業式の日。
私は緊張した面持ちで学校の最寄りから歩いていた。
そんな時、突然誰かに声をかけられた。
『ねぇ、君って新入生?』
『可愛いね!良かったら先輩と一緒に行かない?』
『えっ……と…?』
見るからに年上の、チャラそうな先輩二人組で私は戸惑ってしまう。
『いいじゃん!ほら、先輩と登校しよう!』
『可愛いね、本当。』
そんな私に目もくれず、急に先輩は手首を掴んでくる。
『や、やめてください……!』
『あんまり叫んだりすると初日から目立つけどいいの?』
一人の先輩が私をニヤニヤ笑いながら見てくる。
その通りだ。
このままでは目立ってしまう。
だから仕方なく諦めようと思っていたその時。
『お前ら何してんの?』
低く、どこか冷たい声が聞こえてきたのだ。
顔を上げるととってもかっこいい人がいた。
それが西田先輩だったのだ。
『おー、晴人。
見てみろ、この子超かわいくね?』
『だから一緒に行こうと思って。』
『はぁ?どう見ても泣きそうだろ。
離してやれ。』
そう言って西田先輩は私に近づき掴まれた手を離してくれた。
『大丈夫か?』
その心配そうな顔に、さっきよりもどこか優しい声。
この一瞬で私は一目惚れをしてしまったのだ。
この人だ、と直感で思った。