私の日常は、先輩と同じ電車に乗るところから始まる。
「西田(にしだ)先輩!!
おはようございます、今日も素敵ですね!!」
「……うるさ。」
私を見てあからさまに嫌そうな顔をする一つ年上の先輩、西田 晴人(はると)先輩。
名前と違って表情は全く晴れやかでなく、いつもクール。
一度も染めたことのないであろう綺麗な黒髪。
切れ長の綺麗な二重の線のある目、透き通った鼻筋に高い鼻。
不機嫌そうに閉じられた薄い唇。
とにかくイケメンの西田先輩は、私の未来の彼氏様。
「何気持ち悪い顔してんだよ。」
「ひ、ひどい…!一応この顔でも結構モテるんで!」
……そう。
私、園田 莉乃(そのだ りの)は顔はそこまで悪くないはずである。