「ただいま〜」




って今日はお母さんいないよね。




置き手紙が置いてあった。




“今日は仕事で帰れないから何か作って食べてね”




はあ…。昨日はたまたま私が起きてる時に帰ってきてただけで、いつもは私が寝てる間に帰ってきて起きる前に出かけちゃう。




でも、来週からお母さんと一緒にお弁当作るんだよね。




私の家は母子家庭で、お父さんは私が小学生の頃に離婚して家を出ていった。




もう再婚してるらしい。




私のお父さんは浮気性だった。




あまり良いイメージも残ってなかったけど、私には優しかった。




自分の子供だから?なんとなくそう思った。




離婚した事をお母さんから聞かされて





『お母さんね、お父さんがいなくなった分働きに出ないといけないの、家にひとりでいる事多くなると思うけど…美羽頑張れる?』




『私、お母さんがお仕事でいなくても大丈夫だよ…?いつもお母さん見てたから多分出来る!頑張る!』




そこから私は掃除とか洗濯とか家事するようになって、料理は作り方見ながら頑張ってた。




でもその頃から学校での私は暗くなった。




家の事を頑張ってる分、学校では疲れが出て明るく振る舞えなかった。




親が離婚したって話を聞かれたら何か噂されるかもしれない、皆に嫌われるかもしれない。




そう思った。




唯一、麗香だけはお母さん同士が仲良かったし、私も信頼出来るから両親が離婚した事を話した。




優しくしてくれた。心配してくれた。




それからずっと麗香に頼ってきた。




あんまり、迷惑かけないようにしないと……。



今日はしゃいだせいか、リビングのソファーでそのまま寝てしまった。