「いらっしゃいま……せ」



カラーンと音がなって開いたドアに、駆け寄るとそこにいた2名にあたしの動きは止まってしまう。



「よっ」


「愛ちゃん」



元彼であり、今も好きな人。
そして、つい最近まで付き合っていた元彼。

この2人が、あたしの働いているカフェにやってきたのは、大ちゃんがあたしの部屋に来てから1週間くらいあとのこと。



「どうしたの?2人で……」


「うん、愛ちゃんとちゃんと話そうと思ってさ」



今の大ちゃんは、穏やかな雰囲気に包まれている。



「こいつに言われて俺も来たんだ」


「俺だけだといやかなって思って。ちゃんと別れてあげようと思ったんだよね」



1度、息を吐いて席へと座る。



「コーヒー2つね。大輔も飲むだろ?」


「あ、はい。ありがとうございます」



ぺこりと浩ちゃんに頭を下げる。