「国語……25点…

嘘でしょ…?だって、他の教科…

そんなに悪くないのに…。」

そう呟きながら、職員室のドアから

出ていく。

「……どうする?……追試?

でも…また、赤だったら?

しかも……出席日数足りてないし…。

このままだと、単位……。」

……落とす?

ダメッッ!!!!

それだけは何とか阻止……。

「…やっぱ補習授業…しかないか…っ。」

そう呟き……

教室のドアを勢いよく開けた。

あの日のケンカから一週間が過ぎた。

あの件は、平野先生のお陰で

ケンカ両成敗という事で新井くんは

3日間の停学ですんだ。

でも……また事件勃発…

定期試験で新井くんの国語が赤点で

頭が痛い。

しかも……

よりによってクラス担任の国語…。

5教科中……国語だけ、断トツ悪いなんて。

私の責任?

赤点は、新井くんだけだった。

「……あれ、新井くん…。」

教室には、新井くんの姿はなかった。

「…ねぇ、新井くん知ってる?」

近くにいた男子に聞く。

「……さぁ、知りませんけど、

新井っていつも昼休み、いないっすよ?」

「……そうなの?」