あれから、半年の月日が流れた…。

私は、再就職の為に方々の学校に

面接に行っては、不採用の返事を

もらっている。

「…これで、20校か…。」

先週受けた学校からも不採用の通知を

受け取って、さすがに落ち込んでいた。

面接を受けるまでは、先方も好意的なのだが…

いざ、面接をして私の退職理由を見た途端に

態度が一変していく。

「…へこんでても仕方ないっ…」

そう思い直し、スーパーのカゴを手に取った。

「…今日は、何にしようかな…」

もう3月も半ばだというのに

今日は、寒くて

首に巻いていた毛糸のストールを

ギュッと握りしめた。

ピピッ…

スマホにメッセージが入る。

「あ、日向子からだ…っ。」

"ごめーん!今日、仕事終わらないから

夕飯はいらないでーす!"

「…了解っ。」

あれから、アパートを引き払って

日向子の所にお世話になっている。

日向子は、気にしなくていいって

言ってくれるけど…

いつまでも甘えてられないよね…。

「…はぁ…」

ため息が自然と出てきてしまう。