それから二週間は、あっという間に過ぎた。

テスト前週間は毎日遅くまで学校に残って図書室で勉強し、二人で私の家に帰っておばあちゃんが作ってくれたご飯を食べ(優海は恐縮していたけれど今回は特別と言い聞かせた)、私の部屋で十時まで勉強した。

優海は案の定、どの教科もかなり危険な状態だったけれど、持ち前の集中力を発揮して猛烈に勉強して、みるみるうちにかなり理解度があがった。

『ほらやっぱりやればできるじゃん』と言ったら、彼は嬉しそうに『凪沙が隣にいるからがんばれる』と恥ずかしげもなく言った。

そしてテスト期間に入り、毎日嵐のようなテスト責めを受けて、最終日まで乗りきり、一夜明けた今日。

成績処理の関係で、六時間目のホームルームの時間に一気に全教科の答案が返却されたわけだけれど。

「――どうだった?」

目の前に立った優海にどきどきしながら訊ねると、彼は満面の笑みでピースサインをずいっと突き出してきた。

「全教科赤点回避ー! イェーイ!!」

それを聞いた瞬間、自分でもびっくりするくらい嬉しくなった。

「まじで!? やったね、がんばった!」

あまりの嬉しさに、思わず優海とハイタッチをする。

こんなのキャラじゃないんだけど、嬉しいんだからしかたがない。

よかった。これで優海は夏休みの試合に出られる。

私はそっと胸を撫で下ろした。

ほっとしたのも束の間、優海の声を聞きつけたクラスメイトたちがわらわらと集まってきた。

「すげー優海、やったじゃん」
「がんばったな!」
「おめでとー!」
「あの状態からよくここまで来れたよなあ」

みんなから祝福を受けて、優海は「俺やればできる子だからー」とからから笑っている。