ケータイ小説 野いちご

海に願いを 風に祈りを そして君に誓いを

君の隣



「おはよー!」

優海がいつものように笑顔で大きな声をあげながら教室に入る。

声でかいって、と私はつっこんだけれど、すでに登校していたクラスメイトたちは一斉にこちらを見て、「朝から元気すぎ」と笑いながらも挨拶を返してくれた。

私と黒田くんも彼の後ろについて中に入ると、気づいたみんなが口々に声をかけてくれる。

私たちが所属しているのは、水津高校一年普通科のA組。

もうひとつ普通科のB組があって、あとは商業科二クラス、農業科と水産科が各一クラス、全部で一学年六クラスの中規模校だ。

でも、大学や専門学校への進学を目指す人も、事務職などでの就職を目指す人も、専門知識をつけたい人も幅広く学べる高校ということで、付近の中学からは人気のある学校だ。

鳥浦の中学からも何人も進学しているので、クラスは入学当初からアットホームでフレンドリーな雰囲気だった。一学期も終わりが見えてきた今となっては、まるで何年も同じ教室で共に過ごしたかのような仲の良さで、とても居心地がいい。

「凪沙、おはよう」

席についてすぐに声をかけてきたのは、私のいちばん仲良しの佐伯真梨。

同じ中学の出身で、そのころはクラスが違ったので軽く挨拶を交わすくらいだったけれど、高校で同じクラスになって急速に仲良くなった。

ふわふわした雰囲気の可愛い女の子だ。

「ねえねえ、数学の予習ちょっと見せてくれない? 今日当たりそうなんだけど、合ってるか自信ないとこあって」
「いいよー、何ページ?」


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