ケータイ小説 野いちご

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初恋のうたを、キミにあげる。

初めて恋を知った夜




無事に髪色は黒に戻り、パーカーに着替えてマンションを出る。

昼間よりも温度を失った風が緩やかに吹いて、私の染めたばかりの黒髪を揺らした。


結局また黒髪に戻ってしまったけれど、私にとっては大冒険みたいな一日だった。



「暗くなっちゃったな」

「そうだね」

空はすっかり濃紺色に染まっていて、月が顔を出していた。今日は空気が澄んでいるのか星も綺麗に見える。



「家に電話入れておいたほうがいいんじゃねぇの」

「電話は……いいや。メッセージ送っておくから」


電話をしても、話すのが遅くていつも苛つかせてしまう。

だったらメッセージの方が要点をすぐに伝わるので、私は基本的に電話よりもメッセージを送るようにしている。


お母さん宛に「今から帰ります」とメッセージを送っておく。

きっとこれで大丈夫だ。私が出かけていることなんて珍しいから驚かせてしまっているかな。



「もしかして家族とあんま話さねぇの?」

「……うん。お母さんは私が話すの遅くて、苛々しちゃうし……お父さんは一方的にしか話さないから……」







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