彼女との帰り道。
夏なだけあってとても星がきれいだった。
「ねえ、颯くんはさ、生まれ変わりって信じる?」
星を見上げながら彼女は話した。
「生まれ変わり?」
「うん、生まれ変わり」
蒸し暑い夏の夜。蝉が五月蝿く鳴いている。
「おばあちゃんがね、言ってたんだ。
"流れ星が空を横切った時、人は生まれ変われるんだ"って。」
「そうなんだ」
「うん、おばあちゃんの受け売りだからどうかは分からないけど、私は信じてるんだ。」
まるでおとぎ話みたいなそんな話を無邪気に語る彼女はどこか寂しそうで、でも決意に満ちた表情をしていた。