テストが滞りなく終了した翌日の昼休み、優羽はいつものように奈々と屋上にいた。



「はあ…赤点3つ…絶対に補講だ…」



奈々はテストの結果がかなり悲惨だったらしく、魂が抜けたような顔をしている。



「が、頑張ってね」


「優羽~、何であんたは今回そんなに良いのよ!裏切り者!」


「確かに今回はいつもより良いけど、私別に赤点取ったことはないよ?」



いつも優羽の成績は中の上より少し上かな…?というくらいなのだが、今回は自分でも驚くくらい良かった。

まあ、高校時代、勉強せずとも常に上位3位に入っていた姉には敵わないが。



「あんたそんなに勉強してたの?」


「ん…まあ、ね」



そう。優羽は今回かなり勉強した。

何かそう…やる気があり余っていた。


優羽は制服のポケットに手を入れてそれに触れる。

玲也からのメッセージだ。



(もう、自分でも分かるけど、チョロいなあ、私)