『こんな問題もわからねぇの?』
『うっ……!』
確かこれは中学生の時の記憶。
メガネをかけ、目を隠すように長い前髪をしていた武本くんが私に勉強を教えてくれた時だ。
賢い彼は、簡単な問題もわからない私に呆れていた。
『で、でも武本くんが教えてくれたら理解できるっていうか……。』
『そりゃこの問題、簡単なんだから理解できて当然だろ。』
見た目とは正反対の性格をしている彼は、なんでもズバズバと物事を言う。
多分彼の本性を知っているのは私だけだったんだろうな。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…