ケータイ小説 野いちご

ほんもの。

エピローグ


愛をかたちにするなら、きっとこのかたちだ。
誰かがそんなことを言っていた気がする。

「明けましておめでとうございます」

「おめでとう」

「今年もよろしくお願いします」

「よろしく」

「略すのずるい。私だってあけおめ、ことよろって言いたい」

勝手に言えば良いのに、とそちらを見れば、数秒目が合う。それから十和子はリモコンを取る。

十和子の両親は挨拶回りに出掛け、家は静かだった。なかなか大きい家だと思う。

俺は二日酔いの頭をソファーに寄りかけて、正月番組を見ていた。

十和子がミネラルウォーターを差し出してくれる。


< 192/ 235 >