「いただきます」


猫とクジラは声を合わせて、食事をはじめました。


とはいっても、クジラには手がありませんからスプーンは使えません。
ネモが食べさせてあげなくてはいけませんでした。
クジラはじっとレモネードを見つめて、目をキラキラさせました。


「ねぇ、ネモ。そのグラスに浮いている黄色い丸い輪っかが食べたいな」


「いいよ」


ネモがレモンのスライスをクジラの口に放り込むと、クジラは驚いて飛び上がりました。


「すっぱあい!」


クジラは潮のかわりに、小さな星をたくさん吹き出しました。


「でも、とっても気分がさわやか!」


星は瞬きながら散り、床に落ちると雪のように消えてしまいました。