夜。
日付が変わるほんの5分ほど前。



『ん?結界が‥‥』



揺れた?
大砲を何百発打ち込んでも揺れるはずのない結界が?

気の所為だといい。
けど、仮に本当に揺れていたのならこの学園の生徒が危険だ。




『見てみるか。』




引き出しから長方形の一枚の紙を取り出し、それを人差し指と中指ではさみ神力を送り込む。

すると、目を疑うような。
しかし見慣れた多数の鳥たちが現れる。

所詮は紙。
炎に巻かれれば消え失せてしまうが今回はそんなことに巻き込まれることはないだろう。




『校舎側の魔法石(ラクリマ)を見てきて。』



その言葉に反応し、無数の鳥たちは外へ飛び立つ。

魔法石(ラクリマ)
この学園を守る結界を作っている根源。

常に魔力を使って結界を張るのは多大な労力を使うし魔力がもたないこともある。

だから等間隔に魔法石を設置し、そこに定期的に魔力供給することで結界を保つ。

ちなみに、結界は魔法石に魔力じゃなくて神力を貯めてでないと張ることはできない。

簡単な結界(人ひとり分が最大)なら魔法の属性が地力なら張れないこともないけど、学園や街などの規模では神力でしか無理。