グループ行動をした日の夜。


2年生が全員集まったのを確認して、バスは集合場所からほど近いホテルに到着した。


乗る前にバスの荷物入れに入れておいた自分の荷物を持ち、指定された数字が書かれた部屋に向かう。


泊まる部屋は基本的にグループによって決められるが、このホテルにはふたり部屋しかないので、誰かひとりが余るという計算になる。


他のクラスは偶数人数が多いから、そんなに困ったことはない。


問題はうちのクラスだ。


クラス全員合わせて35人だから5人のグループが7つできるけど、それでは必ず誰かがひとりになる。


今回はクラスメイト全員がそろっているので、ちょっと憂鬱になる。


事前にどの部屋に泊まるかは決めてたから私が憂鬱になる必要はない。


しかし、その余ったひとりというのがなんと末那だったのだ。


担任の先生の話を盗み聞きした蘭子いわく、『あいつと同じ部屋に泊まりたくないって同じグループの子が言ってた』のだそう。


大丈夫かな。


今までの末那なら大丈夫と言える自信があったけど、最近の行動を見てると不安が大きく膨らむ。


誰もいないフロアでひとりため息をつくと、渡された鍵に彫られた部屋番号が同じ場所を見つけた。


ドアの前にある数字は【509】。


渡された鍵にも同じ数字が彫られている。