恥ずかしい。


バカみたい。


もっと上手に言えなかったんだろうか。


完全に嫌われた…。


まぁ、嫌われて柊くんが関わることがなくなれば、小野さんたちが鈴香ちゃんに嫌がらせすることはなくなるわけで…。



甘い香りのするお店を目の前に何度もため息をつきながら、ケーキを箱に詰めて笑顔で接客してる幼なじみを見る。



こんな時は、甘いものを食べて忘れよう。



忘れられるわけがないけれど、今は正直、どうしていいかわからない。


あの後、空き教室に置いてあったカバンをとって、気付いたら家に帰ってきていた。



鈴香ちゃんにも、お疲れ様と声をかけないといけないことはわかっていたけど、どうしても今は言える状態じゃない。