私の家までは電車を何回も乗り継いで3時間程度で着いた。

意外と近くてよかった…
クロはというと、少し難しそうな顔をして、私の隣を歩いている。

それにしても、なんで一緒に来てくれたんだろ。最初は逃げることさえ反対してたのに。

少し気になるのは『しゅうにいちゃん』
どこかで聞いたことがある名前。
何度思い返そうとしても思考がそこで止まってしまう。


あ、この道を曲がれば私の家!
私は走り出そうとしたが、クロに腕を掴まれた。

「クロ…?」
「お前の想像する家は…。」
少しうつむき加減にクロは言葉を止めた。
家?