もう君はここから出て行ってしまう。
もしかしたらもう会えないかもしれない…

そんなこと分かってるけど…
俺は拳を握る。
……悔しい。

俺は花音の家までの地図が入った端末と財布を渡す。

…早くここから出てくれ。
………俺が君の手をとる前に…。


しかし、俺の思惑とは裏腹に彼女はつぶやいた


『しゅうにい』

久しぶりに聞いた呼び名。

俺は条件反射で彼女を抱きしめていた。