まだ少し肌寒い4月初旬、

窓の外には高く晴れ渡る青空。


「よしっ!今日から頑張ろうっ!」


下ろしたての中学校の制服に袖を通して、
気合いを入れた。


「りりちゃん、これでいいのかな?」


ダボダボの制服に包まれた玲音が、
玄関で琥珀色の髪を揺らしている。


「めっちゃ、可愛い!!」


思わず叫ぶと途端に玲音の顔が険しくなった。


「可愛いとかじゃなくて!」


「ごめん、ごめん!
完璧、完璧。どこから見ても中学生だよ!」



そう言って怒っている玲音の頭をわしゃわしゃと撫でた。