ヘルメットを片手に椅子へ腰をかけて待っていると、 「貴慶お待たせ」 と美優が来た。 礼拝堂には誰もいない。 「ここでね、あたし子供の頃に結婚式の先導したことあるんだ」 「へぇー、そうなんや」 「その頃は、まだギャルになるなんて思っても見なかったなー」 「そらそうやろ」 「貴慶って子供のとき、どんな子だったの?」 貴慶はしばし考えた。