明音さんに勢いで告白して、お友達から宣言をされてから約一週間後、そのとき交換した明音さんの連絡先を眺めていると、突然、電話が鳴り、危うくスマホを落としそうになった。その相手は、まさかの明音さんからで、すぐに通話ボタンを押した。スマホを耳にあてると、電話越しに心地よい明音さんの声が聞こえた。
「急にすいません。今大丈夫ですか?」
「も、もちろんです!ど、どうかしましたか?明音さんから電話してくれるなんて、思いませんでした」
そういうと、明音さんは少し残念そうにため息をつくと、少しふてくされた声で言ってきた。
「だって、大森さん、あんだけす、好きとか言っておきながら一週間も連絡くれないなんて。あの言葉は嘘だったんですか?」
「えっ、いや、決して嘘ではありません。す、好きですよ」
「だったら…、……トとか誘ってくれても…」
「えっ、今、なんて言いました?」
「…もういいです。さようなら」
「あっ、ちょっとまってください!聞こえてました。デートですよね。すいません、なんか明音さん、忙しいかなって思って、なかなか言い出せなかったんです。だから言い直します。俺をデートしてくれますか?」