ーチリリリリリリー



ーポチッー



美「んーっ」



私はカーテンの隙間から差し込む光に目を細めながら、背伸びをする。



美「ふぅ…」



ーコンコンー



香「姉ちゃんー?入っていい?」



美「ごめんーまだ寝間着だから私が後で香月の部屋に行くよー」



香「わかった」



私は決して、弟に寝間着を見られるのがいやなタイプではない。…理由は別にあった。部屋に入れられない、別の理由が。



ーガチャー


ーコンコンー



香「どーぞー」



ーガチャー



美「…いつみても香月の部屋は適度に散らかってるな…」



香「なんだよ適度にって」



美「いやー。…で、なに?」



香「え?…あー…えっと〜。なんだったっけ?」



…はぁ。…どんだけ鳥頭なんだよ。



美「まぁいいよ。…ところで香月今日暇?」



香「う、うん。暇だけど」



美「じゃあさ、温泉行かない?1泊2日!!お母さんとあと1人誘ってさ!実は、前商店街の福引で当てて、もうそろそろ有効期限きれるから」



香「温泉?!!」



美「温泉!!!」