ケータイ小説 野いちご

見守る恋じゃダメですか

手を差し伸べたのは
#1

あれから月日は経ち、本格的に秋を迎えた。

時間が経つにつれ、アイツが彼女に惹かれていくのがわかった。
優しく温かい目で彼女に微笑みかける。

それを見る度胸がチクチクと傷んだ。
未練がましい自分が嫌で仕方なかった。

あれから変わったことを言えば、
放課後の補習に引っかからなくなったこと。

ぽっかりと空いてしまった心の穴を埋めようと勉強を始めたのだ。
これからの進路にも繋がるし一石二鳥だ。

何かしていないと落ち着かない。
それが今の私の現状だった。

放課後、私は彼らを会いたくなくて早足で下駄箱に向かった。

靴を履き替え、帰ろうと一歩踏み出せば

 「宮條さん、ちょっといいですか?」

そう声を掛けられて振り向いた。

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