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そして週明けの月曜日。

目が覚めたのはアラームが鳴る5分前。なにやら下が騒がしい。話し声は3つ。お母さんとお父さんと、あとひとりは……。


「あ、茉莉ちゃんおはよう!」

それはリビングで何故かうちの朝食を食べている匠さん。

確認する前からそうかな、って思った。だって匠さんの声は大きいからすごい2階まで響くし。


「すいませんねー。ご挨拶に伺っただけなのに朝食までご馳走になってしまって」

「いいんですよ!それより本当に美形なご家族ですね!息子さんたちも近所では評判で。ね?お父さん」

「ああ。うちが平凡すぎるから逆に申し訳ないくらい」


匠さんを交えて楽しく談笑するお母さんたち。

なんか匠さんがいるだけでリビングが違って見えるというか……年齢は知らないけどこんなアロハシャツが似合うのは匠さんぐらいだと思う。

……お父さんが着たら全力で私は止める。


「今日からまた家を離れるんで色々と息子たちが迷惑かけると思うんですが、よろしくお願いします」

でも匠さんは最後にはちゃんと頭を下げていた。