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そして週末。今日はのんびり寝ていようと思ったのに朝からうちのインターホンが壊れたかのように鳴り続ける。

誰だろう……宅急便?

お母さんかお父さんが応対するだろうとまた目を閉じてみたけれど、そういえばどっちも仕事だって言ってた。


まだ痛む右足を庇いながら1階に下りて、玄関の除き穴を確かめる。見慣れた顔でホッとしつつガチャリと鍵を開けると……。


「まりりん!俺たちを匿(かくま)って!」

晶くんが私に飛び付いてきた。


「え?え?どうしたの!?」

まるでなにかから逃げているような顔。

状況が理解できないまま晶くんに抱きつかれている私。すると開いたドアからもうひとつの影。


「茉莉ちゃん、いきなりごめんね」

「す、昴さん……」

晶くんだけが突撃訪問するならまだしも、昴さんまで家に押し掛けてくるなんて普通じゃない。


「な、なにかあったんですか……?」

恐る恐る尋ねると今度は昴さんの背後から深いため息が。


「もう逃げても無駄だよ」

それは呆れた顔をしている聖。


聖までいるなんて本当にただごとじゃない気がする。

一体なにがどうなってるの?

窃盗?強盗?ストーカー?

いや、一条三兄弟のファンは沢山いるけどそんな物騒なことはしないだろうし、第一おかしな人に出くわしても三人なら余裕で倒せるはず。


ゴクリと緊迫した空気に息を飲んで。

ふと、目線を横にずらすと目の前に見知らぬ人の顔。


「きゃあああっ………!!」

思わず絶叫。

だって、だって……まるでホラー映画のように生首だけが宙に浮いてるんだもん……っ!