《Side:実衣》


テルくんが学校に来なくなって三日目。

朝、あたしが迎えに行く前に連絡が来て「来るな」の一言だった。
こんなにもテルくんに会えないのは久しぶりだ。


会いたい、なあ…。


サプライズ的な感じで会いに行こうかな。

先生は欠席としか言わなかったけど、テルくんはお風呂上りとか髪を乾かさないから、きっと風邪を引いたんだ。


「風邪にいいのはフルーツだよね…。あ、でも喉が痛いならお粥とかでも…」

「沖宮さん、どうしたの? 誰かのお見舞い?」

「あ! 小野瀬さん」


移動教室の合間に、あたしはぶつぶつと一人で考えていると、小野瀬さんが話しかけてくれた。

あたしが「幼馴染が学校来なくて」と言えば誰のことか分からない小野瀬さんは、少しだけ不思議そうな顔をする。


「幼馴染いたの? 沖宮さんって」

「そうそう…! えっとね……」


そこまで言いかけて、クラスメイトの嫌な視線を感じた。