「おい、喋れよ」

私の心を踏みにじるような一言と笑い声。
怒りたくても、泣きたくても、苦しくても出ない私の声。

何度泣いても心で悲鳴をあげても、誰にも届かない。

そっか、世界は結局……歪な私を受け入れてはくれないんだって気づいたあの日から。

私はひとりで生きていくんだって思っていたのに……。


「よう、冬菜!」

そんなときに、君が現れた。

「これ、俺からのプレゼントな」

君がくれたもの。
春の桜に夏の朝顔、秋の紅葉に冬の雪だるま。
それから……。

「だから、早く俺のために笑えって!」

溢れんばかりの、想いでした。