【駿said】




「てか、あたし彼氏いるし・・・」



樹と話しながら待機場所に行くとその声が聞こえた




え?



咲良に彼氏……?







俺は1年の頃から咲良に片想いしている



最初は明るくてポジティブすぎてすごいなって




俺もあんな風になりたいなって思ってた




憧れの気持ちだと思ってた




けど、だんだんと咲良のことをもっと知りたくなって




咲良のことをいつも目で追って



いつの間にか好きになっていた







樹はそのことを知っていて、


「早く告白しちまえよっ!」


って言うけど、持ち前のネガティブ思考で


「俺なんかが咲良の眼中にあるわけないだろ……」


と答えた






でも、さっきの言葉


「彼氏」その言葉が頭の中をリピートする




咲良、彼氏いたんだ……





「えええーーっ!!!咲良、彼氏いたのっ!?」



花の声が聞こえてくる



樹が驚いた後にこっちを悲しそうな顔で見てくる




そんな顔でみんなよ……






「いるけど……」



そう言ったあとにこっちに気づいた咲良





「あ、駿と樹だ。さっきはありがと。おかげで解決した」



笑顔で手を振ってくる



とてもじゃないけど、笑顔で振り返すことなんて出来ない



俺は手をちょっと上げるだけで返事をした




「そうみだいなー。花のでっかい声がこっちまで聞こえてたし」



樹が花をからかうように会話に入ってく


俺も樹についていき、2人で咲良と花の前に座る





「だって、咲良が彼氏いるっていきなり言うんだもん!言ってくれてもいいじゃん!」



「いや、言う必要なんてないでしょ」



「ある!親友なんだから!」



「彼氏いるかいないか、親友に言う必要あるのかよ…」



「ある!」




2人が楽しそうに会話をしているが、俺のテンションは上がらなかった