可愛らしい服、色とりどりのパンプスやサンダル、ハイヒール。
シックからカジュアルまである様々なバックにアクセサリーなどの小物たち。

どれもこれも私のツボをつくチョイスの素敵なセレクトショップ
『 petit choice 』
ここが私の職場

私はオーナーの優子さんがヨーロッパ各国巡っては見つけて買い付けてくるこのセレクトショップ『 petit choice 』で販売員として働いている。

就職氷河期の最中なかなか就職先が見つからず途方にくれながらキャンパスを歩いていた短大2年の2月。
ちょうど母校である短大に顔を出していた優子さんと就職相談室で担当の先生と話していた時に、相談室に挨拶に来た優子さんに担当の先生がお話して、あれよという間にそのまま面接。

同じ服飾科専攻の先輩後輩として話が合うのも勿論だが、優子さんのセレクトショップの写真なんかも見せてもらって服やら小物の好きな部類が同じだった事もあり年齢差はあれど、すっかり意気投合。

サラリと採用を決めてくれて短大卒業の春から働き出して丸3年が経っていました。

そんな私、篠井綾乃23歳。
仕事が楽しくて仕方ないと仕事一辺倒、休みの日は自分で服やら小物を作って楽しむ服飾のみで彩られた自分的には大満足の日々だったのだが、この春私は望んでもいない嵐に巻き込まれた。


それは麗らかな春の陽射しにホッコリしながら開店前の店先の掃除をしている時に突然現れた。

『おはようございます。オーナーの優子さんいらっしゃいますか?』

キレイなバリトンの落ち着いた声、そして綺麗な日本語で話しかけられ店先を箒で掃いていた私は顔を上げて驚いた。


そこにいたのは金髪碧眼のイケメン外国人。
スラッと伸びた長い脚、高そうなスーツをサラリと着こなした長身の男の人だった。

とりあえず、首が痛くなるほど背が高い。

私が日本人女子の平均より小さい150cmジャストしかないのだから、この人を見て首が痛いと思ってしまうのもご容赦願いたい。

何しろ相手は180cm後半はありそうな長身なのだから。