人買い組織にさらわれ、アルフレッド率いる黒龍騎士団に救出されてから今は三日目。

シルディーヌは、国家警備隊舎の中にある一室で、ソファに座ってお茶を飲んでいる。

警備隊長直々の事情聴取を終えてほっと一息ついているところで、一緒に来たペペロネが終わるのを待っているのだ。

アジトは大砲では壊しきれず、最終的には燃やしたらしいが、組織の人はフリードの指示によって救出され、医療付きの施設に収監されていると聞いた。

罪を犯した者とはいえ、ちゃんと裁きを受ける権利はある。さすが、フリードである。

組織の逮捕やさらわれた人の救出などは通常国家警備隊の管轄らしく、実際には一ミリも動いていないが後の処理は行うという、なんとも面倒なことになっていた。

表向きには、黒龍騎士団がやったことは、アジトとなっていた古い軍の遺産を壊滅したことのみで、犯人逮捕やシルディーヌたちの救出は警備隊がやったことになっている。

人買い組織が撲滅できたのはいいが、ひとこと出動すると言ってくれれば……と、説明をしてくれた警備隊長はなんとも渋い顔つきをしていた。

シルディーヌとしては『お気持ちは、お察しします』としか言えなかったのが辛い。

あの日救出されて馬で寝込んでしまったシルディーヌは、目覚めたら、ふかふかクッションの中に沈んでいた。

天井以外は見えない状態になっており、起き抜けにパニックに陥ったのだった。