※『俺、兄貴になりました④』は兄弟になりたての頃のお話です。翔輝以外はまだ学生ですのでご了承下さい。





「あーっ!!もう無理っ!頭割れる!!」



そう言って持っていたシャーペンを放り投げて寝転んだのは、七男の慶だ。



「慶にぃ、ちゃんとやらないと。前回も赤点だったでしょ」



冷静に慶に意見するのは、八男の陽。



俺、久遠翔輝はそんな弟たちの様子をコーヒーを片手にリビングのソファから眺めていた。


運動神経はいいが、頭が少しバカな慶は特に数学が苦手。


前回のテストも赤点で、追試で合格するまで部活動を休止させられた。



陽は効率よく真面目に勉強をしているから、高得点を取ることはあれど赤点を取ることはない。



いったい、どっちが兄なんだか。




「慶、この問題はこの公式を使った方が簡単に解けるよ」


「翠にぃ…やっぱり翠にぃは俺の味方だ!」



面倒見のいい翠は弟たちの勉強を見てやっている。自分もテストがあるのに体した奴だよ、ホント。