告白から2日、、、。

俺は、未だに住崎とまともに会話をしていない。

だから、昼休みに来るんじゃないかと思う場所に行った。

体育館裏だ。

驚かせてやろう、なんて気持ちもないわけじゃない。

彼女がどんな反応をするのか、少し、、、

いや、結構気になってたりする。


そして、

彼女が来た。

「よぉ!」

と、ちょっと明るめで声をかけた。

そしたら、彼女は驚いたように、俺から一歩退いた。

(退くのか、、、。)

「おいおい、俺、一応彼氏だぜ〜」

住崎「な、なんで、ここにいるの?」

住崎は、顔を少し引きつらせながら聞いてきた。

「あぁ?この前の昼休み、お前がここに来る
のが見えたから、いっつも来てんのかな〜っ
て思って来てみた。
大当たりだったな。」

なんだか、彼女の反応が、面白くて、俺はすこし笑ってしまった。

でも、住崎は何も言わないまま、棒立ちしていた。

「とりあえず、ここ、座れよ。
俺も昼飯今からなんだ。
一緒に食おーぜ!」

隣を指差しながら、彼女に向かって言った。

彼女は、まだ何も言わない。

それでも、俺の指示通り、指差した場所である俺の隣に座った。

内心、喜びながらも、持ってきたビニール袋からパンを取り出し、食べる。

彼女はというと、何もせず、何も話さず、どこか一点を見つめている。

(顔の傷とか、気にしてんのか?
持ってきた野菜ジュース、飲む気配ねぇな〜)

そう考えながら、パンを2つ、すばやくたいらげ、

「あのさ、」

と話を始めた。

彼女は、返事の代わりに、首を少し傾けた。



(、、、なんか、可愛いんだけど。
人と喋るのが苦手で、喋れないと思っていた
けど、“喋れない”というより、“喋らない”って
感じだ、、、。
いや、今はそんなんどうでもいいけど。)




「、、、顔の傷は、どうしたんだ?」


彼女は、驚いたのか、一昨日の俺のように、目を大きく見開いた。

(とにかく、住崎を守るためにも、住崎を知ら
ないとな。)

そう思って問いかけた質問に対し、彼女は、

住崎「、、、、、、、、え?
なんの、事?」

よほど驚いたのか、長い間があいた。

言葉も少し途切れ途切れだ。

「ここに来るのを見たときに見た。
それとおんなじやつ飲もうとして、マスク外
しただろ?」

彼女がこんな所で1人でお昼を食べるのは、きっと、傷だらけの自分の顔を見られたくないからだと、俺は思った。

だから、彼女ができるだけショックを受けないように、言葉を選びながら、真剣に話す。

住崎「、、、、、気持ち悪いとは思わないの
?」

(誰がそんなん思うんだよ。
思ってる奴は、ロクでもねぇクソ人間だな)

「思わない。」

住崎「、、、どうして?」

「住崎が、辛そうに見えるから。」

俺は続けて即答した。

間があけば、彼女は「何考えてるんだろう」って不安になるだろうし、俺は彼女が思うようなこと絶対に思わないからだ。

住崎「そう、、、なんだ、、、。」

彼女は、俺の答えにホッとしたような、でも、嘘を言っているかもしれない、と思っているというような顔で、魂が半分抜けた様な返事をしてきた。

そんな彼女の支えになればと思った俺は、優しめにこう言った。

「辛いなら、言って欲しい。
あんたからは、俺がどういう人間に見えて
るかは知らないけど、さっきも言ったとお
り、一応彼氏だから。
できる事あるなら、、、
言って欲しい。」


住崎「、、、、、、。」


彼女は何も言わなかったが、突然こんな事を言われて、冷静でいられるわけがないな、と思いながら、彼女を教室に帰るように促して、俺は自分の教室に戻った。