美鈴「実はね、、、
私、男の人が嫌いなの。」
正樹「、、、え?
何それ?」
そんな事聞いたこともなかった。
そんな風にも見えなかった。
どういう事だよ。
そんな事を考える俺をよそに、美鈴は話し続ける。
美鈴「私ね、4つ年上のお兄ちゃんがいるんだ
けど、お兄ちゃんはよく私に暴力を振
るってきたの。
お父さんは、私が3歳くらいの時に病気
で死んじゃったから、暴れたお兄ちゃ
んを止められなかったお母さんは、私
をかばって殴られてたの。
だから、男の人は暴力を振るうから怖い
んだって思うようになっていったの。
学校に行ってからも、頭では、そうじゃ
ない人もいるってわかってるのに、体に
染み付いてるから、まだ怖いなって思っ
ちゃって。
あ、今は、お兄ちゃん成人して、一人暮
らし始めたから、暴力とかなくて、お母
さんと2人で生活してるんだよ。
だから、、、
だからね、、、、
正樹は何も悪くないよ。
正樹がいつも頑張ってくれているのは、
わかってたの。
なのに、私、今まで何も話してこなかっ
た。
ごめんね、正樹。
正樹は、私にとって、最高の彼氏だよ‼︎
」
正樹「、、った。」
美鈴「え?」
正樹「良かった、、、。
でも、俺何もわかってなかったんだな。
美鈴の事、何も知らなかった。
俺の方こそ、何もしてやれなくて、ごめ
ん。」
美鈴「、、、何言ってんの?
正樹はもう、充分過ぎるくらいに、私に
たくさんの事をしてくれたじゃない。」
正樹「、、、、、美鈴」
美鈴「何?」
正樹「これからも、俺と一緒にいて下さい。
」
美鈴「ッ‼︎、、、私の方こそ、これからも、一
緒にいて下さい!」
正樹「フッ、、、
これからもよろしくな‼︎」
美鈴「こちらこそ、よろしくお願いします‼︎」
俺たち2人は、通学路のど真ん中で、お互いの体温をしっかり感じるように、抱き合った。