「んッ゛……。ん……?」



「…………」



「……いつの間に……」



翌朝、寝返りを打つと、何かに鼻がぶつかった。

一瞬、呼吸が出来ず、苦しくて目が覚める。

カーテンが開けたままで、眩しい太陽の陽射しに目を細めながら、考える。

昨夜はあのまま、みんなして酔い潰れて、永君すらフラフラで帰って来て。

家にも帰れるし、枕を取りに来たんだっけ?

そのまま寝てしまったのだろう。

頭元にある目覚まし時計を見ながら、ボーッと時間を待って、7時に永君を起こす。

ママもまだ寝て居た為、パパと永君に朝食を食べさせてお見送り。



「行ってらっしゃい」



「1週間も続かなかったが、世話になった礼に飯行くか」



「良いの?」



「18時に、署の駐車場に来い」



「うん!わかった!」



これで本当に、お泊まりは終了。

枕を並べる事はないと思い、玄関先まで見送った私に、永君からのまさかなお誘い。

即返事の私に、永君はどこか満足そうに車へと乗り込む。



「おはようございまーす」



ニヤけそうな顔を抑え、合鍵で桜澤家へと行き、永君の枕や着替えを片付ける。

いつ見てもシンプルで、必要最低限のものしかない部屋だ。



「悠李ー……」



「おじさん、おはよう」


帰ろうとすると、リビングから呼んで来るおじさん。

…二日酔いだな;;