「悠李。ごめんな、愛叶が」



「いえ……」



「でも、愛叶は悠李の気持ち、無駄にさせたくないんだ」



「…………」



「永は厄介な性格で、素行も悪かった。そんなヤツ(息子)を悠李になんて、最初は俺も気が引けたけど、悠李だから、任せられたんだ」



「…………」



静かな我が家のリビング。

おじさんと2人、何とも慣れないツーショット。

玄関で待ってるおばさんは、物音を起てるどころか、こちらに来ようともしない。

おじさんと2人の方が、話が上手く進むと思ってるのかも知れない。



「永はもう、悪い話は聞かないし、仕事も真面目にしてるようだから。今の永を――…」



「おじさん。私、何とも思ってないから」



でも、おばさんが居ても、きっとおじさんは勘違いしてる。

愛叶から始まったであろう事なのに、ちゃんと話してくれなかったのだろうか。



「私、永君の過去は別に気にしてないよ?気にしてたら、好きになるどころか、同じベッドで寝ないでしょ;;」



「じゃあ、何で諦めるんだよ」



「……周り、かな」



「…………」



「私と付き合ったり、結婚したら、みんなが永君を縛るでしょ……」



「それは……」



それがわかるから諦めようとしてるのに、私が泣いた事で、違う点にスポットが当たっちゃったかな。