「あーー疲れた!!」



私は解きかけの数学の問題集を閉じ、

床に大の字で寝転がった。



バンバンバン!!!!

窓ガラスが、割れんばかりに鳴り響く。



「まぁまぁ、そう怒らないでよ。少し休むだけだから」



...






息を飲むような、“気配”を感じた。


私は天井の1点を見つめながら、話し続けた。



「わかってるよ、あなたのこと。私のこと、起こしてくれてたんだよね」






そう、私は気づいたの。

窓が激しく音を立てるとき。

それはいつも、勉強中 。
私がうたた寝していたり、ぼーっとしているときだった。



「私の受験勉強を、応援してくれていたんだね。ありがとう」


「でも、今は本当に眠いの。少しだけ寝させて。5分経ったら起こしてよ」




バンッ


「ありがと、よろしくね」






時計を確認し、目を閉じる…


そのとき、横目でソッと窓を見た。




そこには、





ドロッとした黒い影に

真っ赤なリボンが写っていた。







( まじかーー怖いなぁーーー )



これが、私の心の第一声(笑)

でも、ようやく“存在”がわかったことに安堵し、

寝たふりをするつもりが、本当に眠りについてしまった。